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2013年3月 2日 (土)

思いを運ぶインドサイ「ドラ」

名古屋の東山動物園とオーストラリア・シドニーのタロンガ動物園との間での、中日新聞の記事があった。

----------------------<引用ここから>--------------------------------

Dora1

 「ドラ」は、1999年に東山動物園で初めて生まれたインドサイ。
その年、11年ぶりにセ・リーグ制覇した中日ドラゴンズにちなんで名前がつけられた。
今はオーストラリアで暮らす「動物大使」だ。
 オーストラリアでは当時、インドサイの飼育経験がなかったが、名古屋の姉妹都市シドニーのタロンガ動物園がドラを熱望した。
"大物"の動物交流に両市は盛り上がった。
ただ、現場には不安もあった。
サイは体に似合わず繊細な動物。「慣れない環境でパニックにならないだろうか」。
飼育員の渡辺友治(39)は真っ先に考えた。
 1年半のつきあいで、渡辺はドラの穏やかな性格を知っていた。
「顔の間のしわをなでてやると、うとうとするんです」。
しかし、獣舎や運動場と違って、輸送用の箱は狭くて暗い。
足を踏み入れた瞬間に感じる地面のわずかな違和感も、恐怖心を植え付けてしまう可能性があった。
 1カ月間かけて輸送の訓練をした。
見知らぬ箱を警戒するドラに「大丈夫」と優しく声をかけ、好物のリンゴやニンジンをあげながら誘導した。
 専用の貨物機が予約されているため、出発日は変えられない。
渡辺はシドニー市民の大きな期待も知っていた。
「プレッシャーを感じながらも、いかに怒らず、あせらずドラと接するかが課題だった」。
ドラが箱に足をかけるだけで1週間かかった。
突然走り出し、鉄格子を「くの字」に曲げたことも。
2週間かけ、やっと中に収まった。

 出発日の2001年10月26日。
ドラは驚くほどおとなしかった。
シドニーへ向かう飛行機の中、渡辺は心配で1時間に一度は箱の中を確かめた。
すやすやと寝るドラは、普段通りのいい子だった。

Dora2

 空港には政府やシドニー市の要人、大勢の報道陣が待ち受けていた。
パトカーに先導されてタロンガ動物園へ向かうと、並走しながら撮影するテレビ局も。
「国を挙げて歓迎された。これならドラもかわいがってもらえる」。
渡辺はほっとした。
宿泊したホテルの従業員からもドラの話題を持ちかけられた。

 シドニーに1週間滞在し、飼育方法を引き継いだ。
「ドラのための運動場が新設されていた。動物に対する愛情深さ、飼育員同士のコミュニケーション・・・。日がたつうちに、これなら大丈夫と感じた」。
ドラと別れる時、「頑張れよ」と心の中でエールを送った。
すっきりした気持ちになっていた。

 ドラは今、タロンガ動物園と姉妹関係のウェスタン・プレインズ動物園(オーストラリア・ダボ)にいる。
"妻"も見つかったという。
渡辺の願い通り、現地の人たちに愛され、元気でいる。

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