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2014年12月13日 (土)

コアラのゆりかご (上) 観察

先日の中日新聞に、コアラが来日して30年のこれまでの苦労が載っていた。

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 東山動物園(千種区)にオーストラリアから日本初のコアラが来て、今年で30年。
冷暖房完備の獣舎、各地に分散させた餌のユーカリ栽培、24時間の観察など手厚い態勢を維持してきた。
園ではいつもトップクラスの人気者。
大切な赤ちゃんを育てる「ゆりかご」のような温かい飼育環境が命を支えてきた。

141210zoo2 一挙手一投足にじっと目を凝らす。
手元には行動調査票。
鳴けば英語のコールの頭文字「C」、口に土を含めば「○」の中に「土」と記入する。
木の登り下りは上向きや下向きの矢印で表し、餌を食べている時間は1匹ごとに赤や青、黒と色を変えて塗る。
 コアラ舎のカメラは計16台。
裏側の飼育管理室にある4台の液晶モニターに4分割で映し出される。
朝、飼育担当が出勤すると現在の状況を注視しながら、前々日の夕方5時から前日の夕方5時まで24時間の録画映像を見る。
この三30年、機材や担当者が変わっても同じ作業がずっと続いている。
 「餌を食べさせることが一番難しい」と飼育担当の中山哲男さん(50)。
ユーカリしか食べず、好き嫌いが激しい。
これまで食べていた種類を突然食べなくなったり、一気に食欲がなくなったりするのは日常茶飯事。
その兆候となるわずかな変化を見つけることが求められる。
1984(昭和59)年、日航の特別機で名古屋空港に着いた2匹の雄は、東山までパトカーの先導でやってきた。
途中の信号はすべて青に変えられるⅤIP待遇。
当時、飼育担当だった佐藤正祐さん(60)は「初めて迎えた時の感想は何もない。とにかく必死だった」。
国内での飼育経験は全くなく、重圧がのしかかった。
 コアラはデリケートでストレスに弱い。
つぶらな瞳は何も語らない。
日本でありふれたタヌキやキツネの生態がよく分かっていなかったのと同じように、実はオーストラリアでも詳しい生態は分かっていなかった。
 健康かどうかを確かめる前に、健康であるという目安がない。
「ありのままを観察し、答えを引き出す作業だった」と佐藤さん。
ふんの数や大きさ、食べ残した葉までつぶさに見た。
24時間の観察と記録がコアラの、そして担当者の「生命線」だった。
 当初は観察で得たあらゆるデータを、オーストラリアの州政府やタロンガ動物園に逐一、送った。
日本でもコアラを飼育できることを、母国に知ってもらうためでもあった。
 緻密な観察は繁殖の成否も握った。
もし雌が中途半端な発情で交尾しようとすれば、取っ組み合いのようになり、けがにつながりかねない。
本当の発情がいつで、どの程度なのかを見極めることが必要だった。
 おかげでコアラ同士の相性、病気の兆候や健康状態も把握できるようになった。
母国でも知られていなかった1日の睡眠時間は18時間前後と分かった。
東山の地道な仕事は他の動物園にも参考にされ、日本のコアラ飼育の基礎を築いた。

コアラ(有袋類コアラ科)
オーストラリア南東部のユーカリ林に生息。
鋭く丈夫な爪を持ち、樹上で暮らす。
雌は赤ちゃんをおなかの袋で育てる。
1984年10月25日、タロンガ動物園から2匹の雄が東山動物園に初来日。
今年10月、タロンガから雌の「ティリー」が贈られ、現在6匹がいる。
飼育数は30年間で53匹。

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