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2014年12月14日 (日)

コアラのゆりかご (中) 餌

先日の中日新聞に、コアラが来日して30年のこれまでの苦労が載っていた。

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 コアラを飼育することと、ユーカリを育てることは、ほぼ同義だ。
コアラはユーカリの葉しか食べない。
どのコアラがどの種類のユーカリを好むか。
24時間観察で調べた採食データから割り出し、食べそうなユーカリを獣舎に届ける。
東山動物園(千種区)のユーカリ担当の最も大切な仕事だ。
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 10年ほど続けている臼井潔さん(39)は「一番悲しいのは、自信を持って送ったユーカリが、手をつけられずに戻ってくること」。
ユーカリの木は寒さに弱い上、倒れやすい。
常に台風や雪など天候に気を掛ける。
まだ寒くなる前の先月中旬、臼井さんたちは木が雪で傾かないように支える棒を幹に縄でくくりつけた。
先を見越した準備が欠かせない。
 オーストラリア政府がコアラを外国に出す条件の一つが、ユーカリをその国で用意することだった。
初来日の年からさかのぼること3年。
東山のユーカリ栽培は1981(昭和56)年に始まった。
コアラが来るまで、近くの平和公園に1万本を植えた。
 日本では餌としてのユーカリ研究はほとんどされていなかった。
コアラ飼料準備担当だった元東山植物園長の岡島徳岳さん(66)は、英語の文献を読みながら知識を蓄えた。
 「たかがコアラ、されどコアラ」。
当時、職員の間で、よくささやかれた言葉だ。
一動物にすぎないが、五輪の招致構想の夢が破れた名古屋に活況を生み出した。
イラストのバッジを着けた子どもたち、飛ぶように売れる関連商品・・・。
どこを見てもコアラだった。
「コアラが食べたら餌、食べなきゃ餌じゃない」。
飼育担当者にこう言われた岡島さん。
コアラフィーバーが高まる中、初めて東山に来た2匹の雄が平和公園で育てたユーカリをはむのを見て、思わず涙が出た。
 現在は平和公園のほか、浜松市北区引佐町、沖縄県名護市、鹿児島県肝付町の4カ所で計3万本以上を栽培。
春から秋は平和公園や引佐町、冬場は南方の沖縄や鹿児島のユーカリを与えている。
 人間の苦労をよそに、コアラは多種類のユーカリを少量ずつ食べる。
「ユーカリ全体に与えるダメージをなるべく少なくする、彼らの知恵ではないか」と岡島さん。
 オーストラリアでは開発が進み、すみかを追われたコアラの数は減少傾向にある。
岡島さんは「動物園で野生動物を飼育することは、全ての生存条件を一から用意することにほかならない」と言う。
コアラにとって当たり前の環境を人工的につくる難しさ。
人間が自然をないがしろにする代償の大きさを、コアラが身をもって敢えているのかもしれない。

ユーカリ
オーストラリアには600種以上が自生しており、コアラが食べるのは35種ほど。
そのうち東山動物園では30種を栽培している。
有書な青酸を含み、繊維質が多く栄養価が低い。
コアラは他の動物が食べないユーカリに体を適応させて進化してきた。
コアラの盲腸は2mもあり、たくさん生息する微生物が有毒な青酸を無毒化している。
1日の大半を寝て過ごすのはエネルギーを節約するためだといわれている。

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