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2017年3月20日 (月)

地道な生態調査、結実

先日の中日新聞に、東山動物園のコアラの飼育のことが載っていた。

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170316zoo

 東山動植物園のアイドル、コアラ。
週末の飼育施設は大勢の人でにぎわう。
その施設の天井から、16台のカメラがにらみを利かせている。
・・・といっても、来園者を監視しているわけではない。
 24時間、休みなくカメラが見つめているのは7匹のコアラ。
東山が撮影を始めたのは、多摩動物公園(東京)、平川動物公園(鹿児島)とともに日本で初めて飼育を始めた1984(昭和59)年からだ。
 初代の飼育員、佐藤正祐さん(62)は、オーストラリアのタロンガ動物園からコアラが到着したときの戸惑いを思い出す。
雄2匹を連れてきた現地のベテラン飼育員は「神経質だから刺激しないように」と助言してくれた。
でも、何せ日本では誰も飼ったことがない動物。
どう接すればいいのか、さっぱり分からなかった。
 佐藤さんら4人の飼育チームが手探りで始めたのが、まず相手を知ること。
カメラでの撮影は、そのための手段の一つだった。
 餌のユーカリを食べた。寝た。地面へ下りた。木に登った。鳴いた・・・。
記録映像を事務室のモニターに早送りで映しながら、何時何分に何をしたのか、1匹ずつ、行動調査票に記入した。
カメラの他にも双眼鏡をのぞいて呼吸数を調べ、地面に落ちた丸っこいふんを集めて、いくつあるのか数え上げた。
 地味な作業。「やって意味があるのだろうか」と半信半疑だったが、データが蓄積されるに連れて、少しずつ生態が見えてきた。
 木の上で暮らすコアラが頻繁に地面へ下りるのは発情のサイン。
月1回ほど、夜に下りることが多く、春は最も活発だ。
餌を食べる量が減るのは体調不良だけでなく、これも発情の兆候だと分かった。
佐藤さんは「膨大なデータから導ける答えは、ほんのわずか。
でも、それが大切でした」と話す。
 84年の初来日から33年。
飼育員の山部桂子さん(34)は、かっての佐藤さんと同じようにモニターに向かっている。
 昨年2月、雌の「ティリー」が夜中に何度も地面へ下りていた。
数日分の行動調査票昇見返し、飼育員らはそれがティリーからのサインだと確信した。
タイミングを見計らい、普段は分けて飼育している雄と一緒にした。
 コアラの妊娠期間は約35日と短い。
ティリーは翌月、雄の赤ちゃんを産んだ。
名前は「ピーター」。
今月に入って親離れするまで、ティリーにおんぶされる姿が「かわいい」と話題を呼んだ。
 東山はタロンガ動物園と96年9月に姉妹提携し、これまでに16匹のコアラが贈られた。
今月17日には新しく4歳の雄「マックス」が来園する。
 地道に築いた飼育方法が、母国でも信頼されている証し。
「決して楽ではないけれど、得られるものは大きい」。
山部さんはモニターを見ながら、そう実感している。

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